デリケートゾーンのお悩み相談室

【ニオイの悩み】体臭がきつい人の特徴と対策方法について

2022.05.17

毎日の入浴で、ある程度は体臭を防ぐことができます。しかし、体臭には個人差があり、人によっては入浴直後でもニオイが発生することがあります。
こちらの記事では、体臭がキツイ人とそうでない人の違いや、になるニオイの解決方法について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

気になるニオイの悩み

特に汗をかきやすい夏場になると、冬場では体臭が気にならなかった人でもふとした時に、ニオイが気になることがあります。
たとえば、脇やデリケートゾーンなどは、汗腺が多く衣類で覆われムレやすい場所でもあるためニオイが出やすい場所です。
ニオイの強度は人によって異なり、感じ方も個人差が大きい部分でもあります。

体臭が強い人は、どこにいても自分のニオイが気になってしまう人もいれば、自分のニオイに気づかない人もいるでしょう。
その場合、知らず知らずのうちに周囲の人に迷惑をかけてしまっていることもあるかもしれません。
しかし、体臭がキツイ方でも、生活習慣の中で、工夫や対策をしたり、専門治療を受けることで、ニオイの悩みは解決することができます。

 

ニオイ物質が分泌されやすい場所

ニオイ物質は、汗腺を通じて毛穴から放出されます。また、汗腺には「エクリン線」と「アポクリン線」があり、アポクリン線が多く分布している場所ほど気になるニオイが分泌されやすいことがわかっています。

「エクリン線」の特徴

気になるニオイというのは、汗に含まれる成分を皮膚に存在する常在菌が分解することで発生します。

エクリン線から放出される成分の約99%は水、残りの1%は塩分や尿酸、アミノ酸などの成分です。 そのため、エクリン線から放出される汗の成分は、ほとんどが水であるため、大量に汗をかいたとしても、それほど強いニオイは発生しません。なお、エクリン線はほぼ全身に分布していますが、汗の質はサラッとした感じです。

「アポクリン線」の特徴

ワキガはアポクリン汗腺から分泌される汗によって発生します。アポクリン線から放出される汗にも水分が含まれていますが、エクリン線と異なるのは、脂肪酸やアンモニア、鉄分などの含有量が多いという点にあります。 水以外の成分を多く含むことから、常在菌によって成分が分解された際には、嫌なニオイが発生することになるのです。

なお、アポクリン線はエクリン線とは異なり、デリケートゾーンや脇、乳首、肛門周りに多く分布しているという特徴があります。 また、アポクリン腺の数には個人差がありますが、アポクリン線の数が多く、脂肪酸などの成分が多く含まれている場合には、より強いニオイが発生しやすいということになります。

特に脇やデリケートゾーンは衣類によってムレやすいため、高湿度な環境で雑菌が繁殖しやすく、ニオイも発生しやすくなります。体臭がキツイ人の中には、ワキガやスソワキガの人が多く見られますが、それは、脇やデリケートゾーンにアポクリン線が多く分布しているためです。 なお、アポクリン線から放出する汗は粘り気があり、ベタベタとした感じがしますので、エクリン線から放出される汗とは区別しやすい特徴があります。

もちろん、エクリン線から放出される汗でも、そのまま放置していれば雑菌が分解してニオイが出ることがありますが、それはごくわずかで、他人に迷惑をかけるレベルではありません。

体臭がキツイ人とそうでない人の違い

体臭がキツイ人は、そうでない人よりもアポクリン腺の数が多いと考えられますが、実は生活習慣によっても体臭が強くなる場合もあります。

次に、体臭がキツイ人の特徴について紹介します。自身に該当する内容があれば、早めに対策することをおすすめします。

遺伝

アポクリン汗腺の数は遺伝で決まるといわれています。 つまり、両親または両親のいずれかにアポクリン腺の数が多い人がいる場合、その子供もアポクリン線を多く有している可能性があります。

食生活

体臭のおもな原因はアポクリン線から分泌される汗に含まれる成分ですが、食生活によって体臭が増長されることもあるといわれています。 たとえば、以下の食品の摂取量が多い場合、強い体臭が発生しやすいといわれています。

  • ・動物性タンパク質
  • ・ニンニク
  • ・香辛料
  • ・アルコール

一方で、以下の食品は体臭の軽減に役立つといわれているので、なるべく普段の食事やおやつに摂り入れてみてください。

  • ・ビタミンC(緑黄色野菜や果実など)
  • ・ビタミンE(アーモンド、ヒマワリ油、ベニバナ油など)
  • ・アルカリ性食品(梅干しなど)
  • ・乳酸菌(ヨーグルトなど)

生活習慣

ストレスや緊張感を長期間抱え込んでいると、知らず知らずのうちに自律神経に乱れが生じ、交感神経の活性化によって皮脂分泌が増えることがあります。 すると、人と汗の成分が混じり合い、いつも以上に体臭がキツく感じることがあります。 ストレスをゼロにすることは難しいにしても、趣味や運動など、ストレスを軽減させる工夫は行えますので、自分が喜ぶご褒美を与えて、うまくストレスをコントロールすることが大切です。

清潔を意識した生活

生まれ持った汗腺の数は変えられませんが、汗をかきやすい人は清潔を心がけた生活をすることで、快適な生活を送ることができます。「汗をかきやすい…。」、「ワキガ体質…。」と、ネガティブに捉えて何も対策をしないと、永遠にニオイの悩みから解放されることはありません。しかし、こまめなニオイ対策をすることで、それを軽減することができます。

 

気になるニオイの解決方法

食習慣やストレスに注意をしたとしても、遺伝によるアポクリン線の多さだけは、自分ではどうにもすることができません。

ここでは、日常生活の中で体臭を軽減させる対策方法と専門治療について紹介します。

手術

アポクリン線の数が多く、それによってワキガやスソワキガになっている場合、手術で改善できます。 脇の皮膚を数cm切開して、医師が目視でアポクリン線を取り除く方法などがあります。アポクリン線除去の確実性が高く、短期間でワキガを早期に改善することができます。

ボツリヌストキシン製剤注射

筋弛緩作用があるボツリヌストキシン製剤を患部に注射することで汗腺の働きを弱め、体臭を軽減させる治療です。 この治療は手術ではなく注射で薬剤を注入する方法であるため、傷跡が残らず、その上短時間で終了するというメリットがあります。 しかしその反面、薬剤の持続効果は短く、数カ月しか効果が持続しません。とはいえ、手軽に受けられるというメリットがあるので、手術には抵抗があるという方は、この治療法を検討してみるのもひとつの方法です。

カラダを清潔に保つ

ニオイ対策の基本は、毎日体を洗うことと、汗を素早く拭き取ることです。嫌なニオイの原因は、汗の成分を常在菌が分解することによって生じることから、汗をかいたまま長時間放置するとニオイは増してしまいます。入浴時に丁寧に体を洗うこと、そして使用するソープについても、肌の環境に近しいものを選ぶといいでしょう。 また、寝ている間にかいた汗や皮脂を洗い流す目的で朝起きてすぐのシャワーが効果的です。そして日中は、体臭が発生する前にデオドラント製品を使用して、ニオイを抑える対策も有効です。

ニオイのお悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

監修 薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室
デリケートゾーンのお悩み相談室
薬剤師/腸活・膣ケアサポート・ファスティング講師

中田 早苗

薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格

薬剤師
ウエルネスファーマシスト(認定運動支援薬剤師)
ファスティングマイスター
美腸プランナー

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監修

薬剤師 中田早苗

デリケートゾーンのお悩み相談室

デリケートゾーンのお悩み相談室

薬剤師/腸活・膣ケアサポート
・ファスティング講師
中田 早苗

経歴
薬科大学卒業後、約7年間総合病院で病院薬剤師として勤務。その後、相談薬局にて予防医学の観点から薬を使わない健康法について患者指導を行い現在に至る。食事と生活習慣の見直しから得られる健康に興味を持ち、そのひとつとしてファスティングの魅力に感銘を受ける。便秘やアトピー、自律神経の乱れなどの悩みとファスティングに深く結びつきがあることを実感。現在までに100名以上のファスティングサポートを実施。

資格
・薬剤師
・ウエルネスファーマシスト
(認定運動支援薬剤師)
・ファスティングマイスター
・美腸プランナー